頭の形が左右で違うのですが、噛み合わせにも影響しますか?」
「斜頭があると、顔まで左右非対称になりますか?」
「最近、口の開き方が左右で違うような気がします」
頭の形についてご相談を受けていると、このような質問をいただくことがあります。
絶壁や斜頭というと、どうしても「見た目の問題」と考えられがちです。
しかし私たちが頭の整体を行う際には、頭の形だけではなく、顔・顎・首・姿勢・身体全体のバランスまで確認することを大切にしています。
今回は「頭の歪みと噛み合わせ」をテーマに、頭の形と顎周辺のバランスについて詳しくお話しします。
絶壁・斜頭とは?
赤ちゃんや子どもの頭の形で多いご相談が、
・後頭部が平らな「絶壁(短頭)」
・左右どちらかが平らになった「斜頭」
・頭の横幅が気になる「ハチ張り」
・左右で耳の位置が違って見える
・おでこや顔の左右差が気になる
といったものです。
特に赤ちゃんは頭が柔らかいため、いつも同じ方向を向いて寝る「向き癖」などによって、同じ場所に圧力が加わり続けると頭の形に左右差が生じることがあります。
ただ、私たちが確認したいのは「頭の形」だけではありません。
なぜその方向ばかり向いているのか?
首は左右同じように動いているのか?
身体を反らす癖はないか?
抱っこのときに身体がいつも同じ方向へ曲がっていないか?
こうした部分まで確認していくことが重要だと考えています。
頭と顎は別々ではありません
頭蓋骨と顎は、まったく別々に存在しているわけではありません。
下顎は顎関節を介して頭蓋骨とつながっています。
さらに顎を動かす筋肉は、側頭部や頬周辺など頭・顔のさまざまな部分に関係しています。
そして頭を支えているのが首です。
そのため、
頭 → 顎 → 首 → 背骨 → 身体
というように、それぞれを完全に切り離して考えるのではなく、一つの身体として見ていく必要があります。
例えば、頭や顔に左右差が見られるお子様の場合、
「口を開けたときに少し斜めに見える」
「顎の位置が左右で違って見える」
「顔の輪郭に左右差がある」
とご家族が感じることがあります。
ただし、ここで大切なのは、斜頭や絶壁があれば必ず噛み合わせが悪くなる、という意味ではないということです。
噛み合わせには歯の生え方、顎の成長、遺伝的要素、口腔習癖、呼吸、姿勢など多くの要因が関係します。
頭の形だけで噛み合わせを判断することはできません。
「向き癖」も一緒に考える
私が頭の整体で特に確認しているポイントの一つが「向き癖」です。
いつも右ばかり向いている。
反対側を向かせても、すぐ戻ってしまう。
抱っこをすると身体がいつも同じ方向へ反る。
こうした状態が続いている場合、頭の形だけを見るのではなく、首や身体の動きにも注目します。
私たち大人でも、ずっと同じ方向を向いた状態で生活すれば首や肩に負担がかかります。
赤ちゃんの場合、自分から「首が動かしにくい」と伝えることはできません。
だからこそ、
「右は向けるけれど左は向きにくそう」
「いつも同じ方向で寝ている」
という小さなサインを確認することが大切です。
頭の整体では「顎」も確認します。
当院の頭の整体では、絶壁や斜頭の部分だけを強く押して形を変えようとはしません。
頭の状態を確認しながら、
・頭の左右差
・後頭部の状態
・側頭部周辺
・顔の左右差
・顎周辺の状態
・首の動き
・身体全体のバランス
などを総合的に確認していきます。
施術についても、赤ちゃんや小さなお子様に強い刺激を加えることはありません。
非常にソフトな刺激で、その子の状態や年齢に合わせながらケアを進めていきます。
寝ている状態でも施術できますし、じっとしていられないお子様の場合には、その子のペースに合わせながら行います。
「頭の形を整える=頭を強く押す」
というものではありません。
特に赤ちゃんの頭をご家庭で強く押したり、自己流で圧を加えたりすることは避けてください。
噛み合わせが気になる場合は歯科への相談も大切です。
頭の整体は、歯科治療や矯正治療の代わりになるものではありません。
例えば、
・歯の噛み合わせが明らかにずれている
・顎の動きに問題がある
・口を開けると痛がる
・食べにくそうにしている
・歯並びが気になる
などがある場合には、小児歯科や矯正歯科など専門の医療機関へ相談することが大切です。
また、頭の形についても、変形が強い場合や頭蓋縫合早期癒合症などが疑われる場合には、医療機関での評価が必要です。
私たちが大切にしているのは、
「整体だけですべてを解決しよう」と考えないこと。
必要に応じて医療機関や歯科など専門家につなげながら、お子様の成長をサポートすることが重要だと考えています。
1歳を過ぎたらもう遅い?
「1歳を過ぎてしまったのですが、もう遅いでしょうか?」
「ヘルメット治療の時期を逃してしまいました」
こうしたご相談も多くいただきます。
確かに頭の成長は年齢によって異なるため、早い段階で頭の状態に気づき、専門家へ相談することは大切です。
一方で、1歳を過ぎたからといって「もう何も相談できない」と考える必要はありません。
当院では赤ちゃんだけではなく、2歳以上のお子様や学童期のお子様についてもご相談を受けています。
年齢によって身体の状態や成長段階は違いますので、
「何歳だから大丈夫」
「何歳だから絶対に変わらない」
と一律に考えるのではなく、現在の頭・顔・首・姿勢などを確認したうえで、できるケアを考えていくことが大切です。
頭だけではなく「その子全体を見る」
絶壁や斜頭の相談を受けたとき、私が一番大切にしているのは、頭の形だけを追いかけないことです。
頭がなぜその形になっているのか。
向き癖はどうなのか。
首は動かしやすいのか。
顔や顎の左右差はどうなのか。
身体全体はどのように動いているのか。
一人ひとり身体は違います。
だからこそ、写真だけで「この子はこうです」と決めつけるのではなく、実際の状態を丁寧に確認することが大切です。