
「絶壁」という言葉を聞いて、「後頭部が平らになっている」イメージを持たれている方も多いと思います。医学的には、たとえば 短頭症(頭の前後径が短く、横幅に比べて後頭部が扁平な状態)や 斜頭症(頭を上から見た時に左右非対称になっている状態)などが含まれます。
簡単に言えば、赤ちゃんの頭の骨が柔らかく、成長の途中にあるため、同じ向きで寝かせ続けたり、長時間同じ姿勢で圧がかかったりすると、後頭部などの一部が「平ら」になってしまったり、左右差が出てしまったりするのです。
「絶壁」という言い方がされるケースでは、後頭部が平らになり、横から見たときに“かべ(壁)”のような印象を受ける後頭部のラインになることがあります。成長して頭蓋骨が硬くなる前に早めに把握しておくことが大切と言われています。
なぜ頭の形が歪むのか:向き癖、寝かせ姿勢、骨・筋・頭蓋骨の発育など
では、なぜこうした頭の形の歪みが起きてしまうのか。主な原因はいくつかあり、以下のように整理できます。
向き癖(むきぐせ):赤ちゃんが寝ている時に、いつも同じ方向を向いてばかりいると、その側の後頭部などに長時間圧がかかりやすくなります。赤ちゃんの頭蓋骨はとても柔らかいため、この外部からの圧で変形が起きやすいのです。
寝かせ姿勢・仰向け寝の時間が長い:とくに「仰向けに寝る時間が多い」「首がまだ座っていないうちに横へ寝かせることができない」などの状況で、後頭部に圧が集中することがあります。
骨・筋・頭蓋骨の発育段階:赤ちゃんの頭蓋骨は複数の骨の組み合わせでできており、縫合(つなぎ目)がある段階で成長します。 そのため、圧がかかり続けると、発育の過程で形が定まる前に「扁平化」や「左右差」が出てしまうことがあります。
出産時・胎内・その他の環境要因:胎内での位置、出産時の圧迫、早産・多胎などによっても頭の形が影響を受ける場合があります。
このように、「絶壁・頭の歪み」は一つの原因だけで起きるわけではなく、複数の要素が重なって生じることが多いため、早期に気づき、ケアを考えることが重要です。
では、保護者として「これは気になるな」「相談を考えたほうがいいな」と思えるチェックポイントを挙げておきます。
後頭部を横から・後ろから見たときに、左右差がないか(片方だけ平らになっていないか)
耳の位置に左右差があるか、赤ちゃんを上から見たときに耳の位置がずれて見えないか
赤ちゃんがいつも同じ向き(例えばいつも右を向いて、左側があまり使われていない)で寝ていないか
寝返りを打ち始めた時期・寝返り返りをする状況が普通か(寝返りが遅れていたり、ほとんど横を向いたまま寝る癖があるなど)
頭の丸み・輪郭が左右対称か、また後頭部の丸みが感じられるかどうか
これらの中で「気になるな」と感じる項目が一つでもあれば、早めに専門機関やケアを考えることをおすすめします。実際、「頭の形のゆがみを放置すると、将来見た目の印象に影響が出る」「左右差が顔の左右非対称に影響しうる」という指摘もあります。
軽度の頭の歪みや向き癖のある赤ちゃんに対して、「整体」や「ベビー整体」という方法を案内している専門施設もあります。例えば、ある整体院では「優しく触れるだけのベビー整体」を紹介しており、1日5~10分の自宅ケアも併用しています。
このアプローチの特徴としては、道具(ヘルメットなど)を使わず、赤ちゃんの体—頭・首・肩・骨盤のバランス—を整えることで、頭の形の歪みを改善に導くというものです。筋肉や姿勢、向き癖に働きかけ、寝かせ方や抱っこの仕方なども保護者と一緒に見直すことが多いです。
「整体=強く押す」という印象を持つ方もいますが、赤ちゃんの場合はごくやさしいタッチで、圧をかけず調整を行うことが多く紹介されています。例えば「強く押し込むのではなく、動きやすくする」という考え方が示されています。
整体を選ぶメリットとして、以下の点が挙げられています。
通院回数・装具装着時間が少なく、赤ちゃん・保護者ともに身体的・精神的な負担が比較的軽め。
自宅でのケア(抱き方・寝かせ方・向き替え)を併用できるケースが多く、「日常生活の中で改善を図る」スタイルが可能。
ヘルメット治療などと比べると費用が抑えられる傾向にあります(装具作製費用・装着回数による負担がないため)。
圧をかける治療ではないため、赤ちゃんにとっても比較的安心感があるという保護者の声もあります。
こうした点から、「軽度の絶壁・頭のゆがみ・向き癖が気になる段階」では、整体からスタートを考える家庭も増えています。実際ある整体院では、ベビー整体を数回行った上で「ヘルメット治療を検討」するという流れを紹介しています。
ただし、整体による頭の形矯正には“限界”や注意点もあります。以下の点を理解しておくことが大切です。
赤ちゃんの頭の変形が「位置的頭蓋変形症(向き癖・寝姿勢などによる外的要因によるもの)」ではなく、骨の縫合が早期に癒合してしまう 頭蓋骨縫合早期癒合症(病的な原因)である場合には、整体では対応できず専門医による検査・処置が必要とされています。
効果のデータ・大規模研究という点で、整体のみで「確実に改善する」とまで言える根拠は十分ではないという専門的な見解もあります。例えばあるクリニックのブログでは「『整体で改善できるか?』という問いには慎重な姿勢を示している」ことが紹介されています。
日常ケアを怠ると、通院しても改善が進みにくいケースがあるため、保護者の協力・セルフケアの継続が重要です。
通院頻度・施術者の資格・実績などによって、期待できる内容が変わるため、選ぶ際には信頼できる施術院かどうか・安全に配慮されているかを確認することが必要です。
このように、「整体からスタート」という選択肢は有効ですが、「整体をすれば必ず頭の形が元通りになる」という断言は慎重に扱うべきです。あくまで、“ゆがみの原因が向き癖・寝姿勢など比較的軽めのケース”であるならという前提があります。
次に、いわゆる「ヘルメット治療」についてご説明します。医療機関で行われる ヘルメット治療(頭蓋形状矯正ヘルメット装着)とは、赤ちゃんの頭のゆがみが中等度〜重度で、かつ骨の成長力が活発な時期に“装具を使って矯正”を図る方法です。
治療の仕組みとしては、まず頭蓋骨が柔らかい時期に、平らな部分や突出している部分に対してヘルメット内の「成長を促したい方向」「余裕を持たせた方向」を設けます。具体的には、「凹んでいる部分に空間を確保し、自然に膨らむように」「突出している部分には制限をかけて過度に成長しないように」設計されます。
装着時間もかなり長く、「1日ほぼ23時間」の装着を数か月間継続という施設もあります。
ヘルメット治療で重要なポイントは「開始時期」です。頭の成長スピード・頭蓋骨の柔らかさが早期ほど高いため、生後2〜6ヶ月頃に開始した方が効果が出やすいというデータがあります。
一方で生後7〜9ヶ月を過ぎると、頭囲・骨の成長が落ち着いてくるため、矯正効果が低下するという報告もあります。
対象としては、向き癖・寝かせ方などの環境的原因が強く、軽度を超えて耳の位置に左右差がある、後頭部の扁平が顕著という“中等度〜重度”の頭の歪みが認められる場合が多いです。
ヘルメット治療の大きな魅力として、「実証された改善率」というデータがあります。例えば、ある医療機関では「重度の斜頭症の赤ちゃんにおいて、自然経過と比べて2か月で3倍の改善率を示した」という研究が報告されています。
また、治療を適切な時期に行った場合の成功率(正常形状に近づいたという意味で)も高いという報告があります。
そのため、「向き癖・寝かせ方の工夫だけでは改善が難しい」と判断された場合には、医療機関でのヘルメット治療検討が推奨される状況です。
ただし、ヘルメット治療にも注意すべき点があります。主なものを挙げます。
装着時間・通院頻度:1日23時間装着というケースもあり、赤ちゃんにとって負担になることがあります。
費用・負担:ヘルメット作製+通院という形で、数十万円の費用がかかる医療機関が多く報告されています。例えば自由診療で43万円(例)という施設もあります。
時期を逃すと効果が低下:開始時期が遅い(例:生後8〜9ヶ月以降)場合、矯正効果がかなり落ちるとして注意されています。
肌トラブル・装着中の赤ちゃんの快適性:ヘルメットの内側が蒸れたり、ズレたり、皮膚に赤み・かぶれが出るケースもあります。 保護者の心理的・時間的な負担:長時間装着を理解・協力する必要があり、赤ちゃんの日常・睡眠・遊びなどに影響が出ることもあります。
以上を踏まると、「ヘルメット治療=万能」ではなく、「適切な時期・適応・保護者の協力」が揃った上で選択するべき手段と言えます。
まず、「どちらを選ぶか?」という判断をするうえで鍵となるのが、頭の歪みの程度です。軽度のものであれば、まずは整体・セルフケアからスタートして様子を見るという選択肢があります。例えば「後頭部が少し平ら/向き癖あり」などの場合です。実際、ある施設では「軽度ならまず整体から試す」というケースが紹介されています。
一方、「耳の位置に明らかな左右差」「後頭部がかなり扁平」「向き癖+首の動きに偏りがある」など、中等度~重度の歪みがある場合には、早めに医療機関でヘルメット治療の検討をすべきという流れもあります。
このように、「歪みの程度=選択の基準」の一つとしてとらえることが大切です。
次に重要なのが「年齢・月齢」「頭蓋骨の成長スピード」です。頭は成長に伴って形がある程度決まってくるため、月齢が浅いうちに介入するほど選択肢の幅・改善の可能性ともに高いとされています。 – 生後2〜4ヶ月:最も改善しやすい時期
– 5〜6ヶ月:まだ改善の余地あり
– 7~9ヶ月以降:矯正効果が落ちるという報告あり
したがって、「いつから始められるか」「成長のどの段階か」を把握していることが、選択を左右する大きなポイントになります。
比較の観点として重要なのは、
費用(整体/通院 vs ヘルメット治療)
通院頻度・装着日数
保護者・赤ちゃんの負担(装具をつける・通院させる・睡眠や遊びの制限)
施術期間(どれくらい通えば・どれくらいかかるか)
例えば整体の場合、施術が数回・通院も少ない・自宅ケア併用という流れもあり、家計・時間的な負担が比較的軽めという紹介があります。
一方、ヘルメット治療の場合、作製+調整+通院+長時間装着という形で、保護者の負担がやや大きくなる可能性があります。
このあたりを含めて、「家族としてどれくらい負担を許容できるか」「通院・装着に協力できる環境か」を保護者同士で話し合うことが推奨されます。
保護者としてぜひ知っておいてほしいのが、以下のポイントです。
頭の形が気になる場合、なるべく早く相談を考えること。「待っていれば自然に丸くなるだろう」という考えだけでは変形が残る可能性もあります。
向き癖・寝かせ方・抱っこの向き替えなど、「日常ケア」でできることが意外と多いということ。例えば、タミータイム(うつ伏せ遊び)や、仰向け以外の姿勢に変える時間を設けることが推奨されています。
施術・装具と併用して「自宅ケアを継続する」ことが改善の鍵であるということ。整体ビフォー・アフターの例でも、「自宅で少しずつ向き替え・抱っこの向き替えを行った」という報告があります。
施術・通院先を選ぶ際、下記を確認すると安心です:
• 施術者・医療機関の実績・専門性
• どのような検査・評価をしてくれるか(例:3Dスキャナー・耳・後頭部の左右差チェック)
• 保護者に対する説明・納得のプロセスがあるか
• 自宅ケアのサポート・相談窓口があるか
具体的なイメージとして、以下のようなチャートが考えられます。
ケース①:向き癖あり・後頭部少し扁平・寝返りもうすぐ・耳位置ほぼ左右差なし → まず整体・自宅ケアからスタート。約1〜2ヶ月様子を見つつ、改善傾向があれば継続。改善が見られない・左右差が出てきたらヘルメット治療を検討。
ケース②:後頭部がかなり平ら・耳の位置に左右差あり・5〜6ヶ月経過している・寝返り遅め → 整体の併用も可だが、早めに医療機関で相談・3Dスキャン・ヘルメット治療の適応チェックを行う。
ケース③:耳の前後位置・額の突出・他の頭蓋骨部位も変形あり(専門が扱うレベル) → 専門医(形成外科・頭の形外来)で検査・早期ヘルメット開始が推奨される。
このように「どの段階・どの程度・どれくらい成長しているか」を元に判断することで、整体とヘルメットのどちらを優先するかを整理できます。
頭の形を整えるうえで、日常の「ちょっとした工夫」が大きな差を生むことがあります。以下、具体的な例です。
タミータイム(うつ伏せ遊び):首が座る前後から、うつ伏せで遊ぶ時間を少しずつ設けることで、頭を床に付ける時間を減らし、後頭部の圧を軽減できます。
抱っこの向きを変える:毎回同じ肩・同じ側で抱っこすると、赤ちゃんが向き癖を形成しやすくなります。左右を交互に抱っこしたり、抱く向きを変えることで頭の片側だけが圧を受け続けるのを防げます。
寝かせる際の向きを工夫:仰向け寝が基本ですが、赤ちゃんが自然に左右に向きを変える工夫として、頭を寝具の両側にむけられるよう枕の位置を変えたり、寝る前に少し側を変えてあげたりすることで向き癖を緩和できます。
寝具・チャイルドシート・ベビーカーの利用時間・姿勢も確認:長時間同じ姿勢・長時間チャイルドシートに固定されての移動なども頭に圧がかかる原因になりうるため、適度なタイミングで抱っこや体位変換を行うことが望ましいです。
こうした日常ケアは、「整体・ヘルメット治療」という“外部からの介入”と併用することで効果を高めると言われています。
もし整体・ヘルメット治療を始める場合には、以下のフォローにも注目しておくと安心です。
定期的な通院・チェック(頭の形の変化/耳・後頭部の左右差/装具のあて方/肌トラブルなど)
自宅でのセルフケアの指導があるか(向き替え・抱っこ法・寝かせ方・タミータイムなど)
発育・発達・体のバランス(首、肩、背中、骨盤)も視野に入れているか。頭の形だけに注目するのではなく、全身の発育・発達と関連づけて考えている施設・医療機関が望ましいです。
経過を写真・場合によっては3Dスキャンなどで記録しているかどうか。改善具合を数値・可視化できると保護者にとって安心です。
治療・ケアを終えた後のフォロー:頭の形が整った後も向き癖が続くと再変形のリスクがあるため、「終わったから終わり」ではなく、途中の保護者のチェック&ケア継続が大切です。
最後に、保護者として押さえておきたい“相談・確認ポイント”を整理します。
「この歪みは軽度か中等度か/治療が必要かどうか」の判断をしてくれるか(例:3Dスキャン・頭囲・左右差の計測有無)
治療・整体・装具を進める前に、どのような選択肢があるか・メリット・デメリットを説明してくれるか
費用・通院回数・施術期間の目安を説明してくれるか
自宅ケアの指導・保護者へのフォロー体制があるか
実績・通院者の声・症例写真などが提示されているか(ただし“必ず改善する”という断言は禁止表現ですので、慎重な姿勢を示しているかもチェック)
初期相談・検査で「病的な歪み(例えば頭蓋骨縫合早期癒合症など)ではないかどうか」のスクリーニングがされているか
以上を踏まて、赤ちゃんの頭の形が気になった時には、「早めに相談・日常ケアを開始・適切な選択をする」ことが改善に向けての第一歩です。整体・ヘルメットそれぞれのメリット・注意点を知った上で、保護者として安心して選択できる環境を整えてあげましょう。
泉大津市 丸鍼灸整骨院ではお子様の頭の歪み、形を整える専門整体を行っています。
もし絶壁(短頭症)、斜頭症、長頭症でお悩みでしたら当院にご相談下さい。
生後すぐ0歳〜15歳まで施術可能です。
ヘルメット施術適齢期を過ぎたお子様でも施術可能です。
もしおこs魔の頭の歪み、形でお悩みでしたら泉大津市 丸鍼灸整骨院にご相談下さい。
最後までご覧頂きありがとうございました。